迫り来るクレジットカード社会(?)

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遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。娘の誕生以来、久しぶりの記事になりました。おかげさまで娘は元気に成長しています。・・娘のレポートはまた回を改めるとして、今日は興味深い記事を紹介したいと思います。

クレジットカードでバレる「本当の階級」 [nikkei.co.jp]

まずは読んでみて下さい。日本でも、クレジットカードの利用履歴が個人の信用を測る指標となる日がもうそこまで来ている、というのです。アメリカではもうすでに当たり前のことなんだそうです。カードの信用力如何で就職の可否、家や車のローンの可否も左右するのだそうです。日本では現金主義が今でも根強いですが、海外ではカードが当然のごとく使われていますね。一昨年新婚旅行でイギリス、イタリアに行った時も、カードがないと生活が成り立たない感じでした。

この記事で興味深いのは、「時間をかけてカードを育ていく必要」を説いていることです。信用とは、時間をかけて一つのカードを育てることで築いてくものだそうで、やれポイントがつくからと、何枚もカードを持っていても、かえってよくないそうです。むしろ、プロパーカードと呼ばれる、カード専門の会社が出しているカードをメインにして、それを地道に持ち続けることで、信用力を上げるのが良いそうです。このあたりの事情は、以下の記事が非常に優れていますので、ご参照下さい。

クレジットカードの基礎知識 [bizmakoto.jp]
クレジットカードのススメ――達人のカード術に学べ! [bizmakoto.jp]

そもそも日本では「カードは借金」という考えが、いまだに根強く残っていると思います。しかし、実は「1回払いの場合は借金とはみなされない」ということをご存じでしょうか。カードで買って、翌月の支払いで確実に決済される。これは借金ではなくツケ払いなのです。「ツケだって借金ではないか」と思うかも知れませんが、そうではないのです。なぜなら、もし「借金」ならば必ず利子が付きます。利子無しで何万円も貸してくれる人は親兄弟親族くらいしかいないですよね。それが、第3者の会社が、利子無しで1ヶ月先までツケ払いを認めてくれるのです。「借金じゃない」という意味が、おわかりでしょうか。

もちろん、借金扱いされるものもあります。「リボ払い」と言われる、複数回払いを選択した場合です。これは利息も非常に高い(年利10%以上)ですし、何より「その月の収入に見合った範囲内で消費すべき」という家計維持の大原則から外れた行為です。カードは1回払いで、収入の範囲内で利用するのが鉄則です。そして、カード会社はインターネットでほぼリアルタイムで見れる利用履歴を提供してくれています。こういったものを積極的に活用し、監視していればまず問題は起きません。何せ、今まで現金で払っていたものをカードで払うようにした「だけ」の話ですから。わざわざATMで現金を引き出す必要もありません。(夜だと、自分のお金を出すだけなのに手数料を取られて釈然としない思いがしたことはないでしょうか?)

では、信用を築く、という以外にカードで払う場合のメリットは何でしょうか。

まず第1には「ポイント」の存在です。カードは、利用額に応じてポイントが付くのです。このポイントは、たとえば楽天ポイントなどの変えることができます。これが結構大きいのです。現金払いではありえないことです。

第2には、「安全である」ということです。カードの方が安全と言うのは、直感に反するかも知れませんが、以下のように考えると分かります。たとえば、財布に現金を入れておいて、それを落としたとしましょう。運良く善意の人に渡れば戻る可能性もありますが、現金は使われたら終わりです。どう頑張っても帰って来ません。ところがカードの場合、警察にちゃんと遺失物届けを出し、カード会社に連絡すれば、落とした日までさかのぼって、使われた分の補償をしてくれるのです。下手に多額の現金を持ち歩くよりよほど安全、というのはこのためです。緊急の場合には、むしろカードの方が強いのです。

いかがでしょうか。

冒頭の記事の内容にある時代が遅かれ早かれこの日本にもやってくるとすれば、いつまでも「カードは借金」という発想に固執しないで、今のうちからしっかりとカードの仕組みを学び、上手で健全な使い方を自分なりに習得し、そして地道に信用を築いてくことを考えた方が、よほどためになるとは考えられないでしょうか。

聖書は、「蛇のようにさとく、鳩のように素直であれ」と言います。この世の様々な技術やシステムに対しても、逃げずにしっかりと見つめて、賢く向き合っていくべきではないかと、そう思うのです。

もちろん、カード利用を推奨しているわけではありませんし、先にも書いたように、カードにはリボ払いという罠がありますから、その罠にはまりそうな人、収入の範囲内で生活できない人は、絶対に使わない方が良いです。ただそう言う人の場合は、カード以前に、経済観念がどこかずれていることを自覚し、誤りを正す必要があると思います。そうしないと、カードで失敗しなくても他の部分で行き詰まるでしょう。

結局、カードを上手に使える人はうまく自分を律することができる人=信用がある人、ということなのでしょう。とすれば、カードの利用履歴が信用力を表すというのも、あながち間違いではない、いやかなり当たっているようにも思えてくるのです。

以上、長文にお付き合い下さってありがとうございました。

コメント

  1. 木人 より:

    タイトルに惹かれて読みました^^
    私も献身する前はカード会社のシステム設計(それも信用情報部門!)をやってたので、興味深いです。
    私もカード7枚くらい作ってるけど、メインで使ってるのは「プロパー」カードです。プロパーに対して「提携カード」と呼んでたかな。
    カード会社とは別に信用情報機関、というのがあって、私が働いていた時には4つあった。そこに個人の信用情報が記録されていて、そこから情報を引っ張ってきて、ショッピングokとか限度額引き上げとかやってた。
    基本は今も、どこのカード会社も同じなんじゃないかな。
    だから、どのカードでも、延滞があったとか、カード紛失or結構使ってるけど延滞一度もなし、とか情報が積まれてる。
    なのでカードを全然使わない人はこの情報ないからカード会社にとっては信用±0。なので厳しい審査のカードを作るのは難しい。もちろんカード持っててマイナス評価の人はもっとだめだけど。その信用情報がカード会社だけでなく、もっと他に利用されていく、っていうのは当然な流れかも。