「柿の花」というタイトルのついた、1冊の短歌集が届いた。神学校1年生の頃(2003年度)、奉仕神学生として通っていた、
千葉県の流山福音自由教会の、H姉がお作りになったものである。この方は小学校の国語の先生で、バイタリティに溢れ、信仰も熱く、
とても印象に残るお方であった。ある日私はこの方の短歌を、十数首読ませていただいたのだが、
目の前にいるその方の人生が心に鮮やかに迫ってくるようで、とても感動したのであった。五七五七七という短い中に、彼女の「世界」
を感じたのである。「これはぜひ多くの人に読んでもらったらよい」と思った私は、短歌集として出されることをお勧めしたのであった。本当に、
心底、そう思ったのである。
それがいま、一年余りを経て、こんなにも美しい本の形になって手元にあるとは、本当に主のなさることに驚くばかりである。
早速開くなか、すぐに迫ってくる短歌がいくつもあった。ぜひこのブログを読んでいる方にも知ってもらいたいので、
一首だけ引用させていただきたい。(「引用」は著作権上問題ないと判断してのことである)。
楽しきは主に感謝して苦しきは主にぞ委ねてこの日を歩まむ
信仰者の歩みが、この一首に凝縮されている、とおもった。「この日を歩まむ」というくだりが特に心に響く。信仰生活は、
決して生活から切り離されたものではなく、お題目でもなく、いまを生きるためのものである。苦楽も、主にあって恵みである。
キリストに委ねて生きるこの人生の、何と楽しいことか。希望にあふれたことか。この短歌から、そう思わされたのである。
短歌は良い。凝縮された人の営みがそこにはある。一年間の短い奉仕であったが、流山教会の皆さんのことが次々に思い出され、
胸が熱くなった。主にある教会の交わりの、何と豊かなことか。感謝の気持ちがあふれた。
私にとって、この短歌集は宝物になりそうである。