「就職の時期と能力の関係」…?

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今日は、職場の上下関係についての、なかなかに興味深い記事を見つけましたので紹介します。

Business Media 誠:ひょっとして……“バブル組”に苦しめられていませんか?

いま現在、30代後半~40代の男性の管理職が、どうにもこうにも無理難題を要求するとか、人間的に見て非常に付き合いにくい、というような方には、読むと「なるほど」と思われるかも知れない、そんな記事です。

この記事を読んで気づかされたことは、「同一の企業であっても就職の年代によって平均的能力に違いがでる」ということでした。単純な一面化は良くないと思いますが、確かに、バブル絶頂時期に就職した人と、来年卒業予定の学生とでは、「就職活動に対する困難さ」というのは、天と地ほど違います。それは疑いようのない事実です。そして、そのような苦労の有無が、人間としての成熟度合いに影響を及ぼすであろうことは、これまたかなり蓋然性の高いことのように思えます。

そして、そのようにして苦労をして入社した若手が、余り苦労をせずに入社した「上司」から、気持ちを理解してもらえずに苦しむという構図も、これまた現在の日本に非常に多数ありそうなことのように思えます。安易に自殺率と結びつけるのはどうかとは思いますが、もしかすると、このような「就職難度による世代間ギャップ」が、若手をますます悲観させ、精神的にも辛い立場に追いやり、やがては・・というケースもあり得るのではないでしょうか。

そして、一度このような状況になってしまうと、それを打開するのは難しいのも事実です。なぜなら、一度「管理職」の肩書きを得た人には、管理能力の問題や欠点を指摘するのが難しいからです。能力重視主義が浸透しつつある日本の企業界であるとはいえ、依然として年功序列は厳然として存在しています。年齢を飛び越えて抜擢、なる人事は滅多に起こらないでしょう。

となると、「固定化された上下関係の中で、楽に就職した人が、苦労して就職した人の気持ちを理解せずに追い込んでしまう」という悲劇が、いつまで経っても解決しないことになります。当事者の若手からすると、「そいういう時代だったんだよ、悪く思うな」では済まない話でしょう。そうでなくても不況時に就職した新人は、「何社も蹴られてプライドがずたずたになり自信を喪失している」という人も多いのですから、余計に追い込まれることになります。

どうしたらこの状況を解決できるでしょうか。

やはり企業には、好不況の波に乗って雇用者数を著しく変動させるような真似は慎んで頂き、毎年一定の数を採用して平準化を図ってもらう以外に、抜本的な解決策はないように思われます。一定の採用を維持できないような、計画性のない企業には、何らかの形で是正措置が入るような仕組みが必要だと思うのです。

そうでなければ、「ただ生まれた年が少し違うだけで、著しい不公平が生じる」という状況は、永遠に解決しないでしょう。学生達のやり場のない叫びに、社会が耳を傾けるべき時に来ているのではないでしょうか。

コメント

  1. ミスターSSS より:

     私は二浪して、1996年新卒だったので、バブル崩壊就職組です。
     確かにご指摘のことは思い当たることがあります。人材派遣会社の業務をしていた時代、私の上司の所長は私より数歳年上、バブル期の人なので、能力は極端に低かったですね。部下には厳しく、自分には優しいタイプの人です。結局その人は左遷されました。
     他方、私より数歳年下の本社の次長(所長の上司)としばらく同じ仕事をしたことがあるのですが、彼は父親を早く亡くし、貧しい家に育ったそうで、高卒で入社。部下のコントロールは素晴らしいものでした。一度その次長ばかり慕っていたら、所長に怒られたほどです(^^; ) 。
     そんな所長と半年も付き合っていたら、私の方が鬱になってきました。