今日は、日本語入力変換システム(IME)の話題です。あの Google が、何と IME をフリーでリリースしました。
IME といえば、Windows 標準の MS-IME や、それを遙かに上回る変換精度を誇る ATOK が有名です。かくいう私も、以前ポストしましたが、ATOK を月額300円で契約しているクチです。
それが、今回は何とフリー。しかも、Google の検索インデックスをもとに巨大な統計的言語モデルを構築し、なおかつ Google suggest の機能も組み込んで、誤入力を自動的に正しい候補に推測して訂正してくれるという、注目のシステムです。実際に使用した場合のレポートが以下のHPにありますので、良かったらご覧下さい。
「Google 日本語入力」はATOKやMS-IMEを超えることはできるのか、実際に使って実用に耐えるかどうか試してみた – GIGAZINE
私の方でもインストールしてみましたが、確かに良い感じです。少なくとも現在 Windows に初めから入っている MS-IME の珍妙な誤変換でイライラさせられている方は、絶対に入れた方が良いと思われます。そしてもう一つ。すでに ATOK を購入して使用している人々にとっては、これはかなりの「脅威」というか、「好敵手」出現と言った感があります。
これまで IME というものは、少なくとも無料のものはありませんでした。いや、正確にはあるにはあるのですが、ネットに繋がっていないと使用できなかったり、辞書が貧弱で使い物にならなかったりと、いろいろな難点がありました。それがこの Google IME はすべて解決しています。なおかつ今後の展開如何によっては、業界最高の変換効率に大化けする可能性もあります。
そもそもここ数年、ATOK の変換効率の向上が頭打ちになってきている感がある原状では間違いなく衝撃的なデビューであることは否めません。そして、下手をするとこの IME の登場が、深刻な経営危機に陥っているといわれるジャストシステム(ATOKの製作元)に最後の一撃を食らわす可能性も、無いとは言えないように思います。
すぐれた技術が無料で利用出来ることは、歓迎すべきことである一方、コンペティター(競合相手)がいない状況になると、消費者の選択肢が限られてしまい、結果的に技術が停滞するといった可能性もあるだけに、ここはジャストシステムに頑張ってもらいたいものです。
ちなみに、この原稿は後半部分は Google IME で書きました。変換効率は結構いい線を行っています。細かい使用勝手(後変換ができない、推測変換候補がやや控えめ、など)はATOKに劣りますが、スピードなどは互角異常の性能を出しているように思います。今後のバージョンアップでさらにこの辺の問題が解決されると、本当に ATOK を食ってしまう可能性は大きいと思われます。
常日頃、MS-IME を使用している方は、ぜひインストールしてみてはいかがでしょうか。
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