あの空港での物々しい検疫が終わった(諦めた)以後、国内での報道がサッパリ尻すぼみになってしまい、移り気の激しい日本人の精神性と相まって、もはや「過去の話」とされつつある新型インフルエンザですが、現実はといえば、
意図的に遺伝子検査をしない → 新型患者かどうか判定しない → 患者数はそれほど増えない
というのが真相のようで、脳天気なのは日本国民だけのようです。下記の記事を見ると、あの5月の大騒ぎした時の波よりもさらに大きな波が、すでに来ていることが分かります。
インターネットで読み解く!#「新型インフル感染爆発、豪ビクトリア州の失策」
記事中、中ほどにあるグラフの、右側のやや末広がりの山が「第二波」です。このグラフのデータは6月22日までのものですが、その後はもっと恐ろしいことになっています。それは、6月25日に国内感染者数が1000人を超えたという報道がありましたが、それから3日しかたっていない、今日午後9時の段階ですでに1200人を越えているのです。わずか3日で20%も増加しています。爆発的増加と言ってもよいでしょう。
しかも懸念すべきは、遺伝子検査を行っていない県もある、という事実です。たとえば冒頭の記事に出てきた岡山県。大阪・兵庫という大都市に近接していながら一人の患者もいないとは、意図的としか言いようがありません。
私が思うに、行政はもはや新型インフルエンザの流行を食い止めるのを諦めたのではないかと思います。それを裏付けるかのように、以下の記事を見ました。
「これからは新型インフルエンザが出ても報告しないでよい、サンプル調査だけにするから
」という方針です。おいおい・・、という感じですね。「もうやっても無駄です。手遅れです」と言っているようなものです。さらに笑ったのが以下の記事。
あのぉ、状況が分かっているのでしょうか・・? 医療行政には門外漢の国交相が、そこまで言い切っていいのでしょうか? しかも、新型インフルエンザ対策としてすべきことは「手洗いやうがいのみ」とは・・。開いた口がふさがらないとはこのことです。一連の記事を見ていると、日本の行政当局は、責任を逃れるために、新型インフルエンザの流行を既成事実化しようとしているとしか思えない状況になってきています。
「最近インフルエンザどうなったんだろ」などと呑気なことを私も考えていましたが、見通しが甘かったようです。冒頭の記事によれば、オーストラリアなど南半球の国は7~8月が冬で、新型インフルエンザが爆発的に広がりつつあり、重傷例も出始めているようです。
そもそもが世界から見れば日本はすでに「爆発的感染国」のようです。シンガポール人の友人から数日前に聞いた情報によれば、かの国では日本はすでに「渡航すべきでない国」のリストに入っている模様。その友人は2週間前日本に来たのですが、別に熱も何も出ていないのになんと帰国後1週間、自宅待機を命じられたそうです。友人は憤慨していましたが、すでに諸外国の目は日本を懐疑的にみつつあるということです。
このように、秋~冬シーズンにかけての「爆発的流行」の下地を着々と作っているのが、日本の現状なのです。ここ1ヶ月、あまりにも脳天気すぎた自分に反省しています。
後になってから後悔しても遅すぎます。
当面は用心過ぎるくらいで良い、と思わされた次第でした。
コメント
先日の朝日新聞に、高校生二人が感染し、そこの校長が謝罪する、というあの騒ぎは何だったのか、という記事がありました。
私も的はずれな中傷・非難だと思っていました。
もし、以前のスペイン風邪の時のように、弱毒の時にかかって免疫を持ち、そのことによって後にくる強毒性に耐えられることになるなら、これらの高校生はむしろ感謝されるのでは、と。こういった「先走ったさばき」がよく人の間でされてしまうことに人の愚かさと罪深さを感じます。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2600098/4113377