忍耐を学ぶことの必要性

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鳩山政権が誕生して100日が過ぎたそうです。当初の熱気はどこへやら、既存メディアは手のひらを返すように「マニフェスト変更」「成長戦略無し」「対米外交定まらず」「閣内不一致」などと、「変節」ぶりを連日報じていますが、正直なところ、総選挙前はあれだけ祭り上げておいて、3ヶ月も待てずにネガティブな報道を繰り返し、世論を印象操作するメディアこそ「変節」の最たるものではないかと感じています。

そう感じるのは私だけではないはずです。これだけメディアが煽っても、なお50%を越える支持率があり、しかも政党支持率の点で、民主党は自民党にダブルスコアを付けて圧勝しています。つまり、メディアの論調ほどには、国民はマイナスイメージに捕らわれてはいない、ということです。騒ぐのは世論を誘導しようとする既存メディアばかり、という構図が浮かび上がります。

そんなことを思っていた所、まさに「わが意を得たり」と思わせる記事に遭遇しました。

インターネットで読み解く!No.194「疑問だらけ――鳩山内閣への危機説・退陣説」

私が愛読しているメルマガにあった記事ですが、実に正鵠を射た意見であると感じました。そして改めて、このような冷静な分析ではなく、感情的な煽りばかりを繰り返す新聞やテレビメディアの姿勢に、疑問を感じた次第です。

考えてみればすぐに分かることですが、何しろ、まだ「3ヶ月」しかたっていないのです。いつからこの日本は、「3ヶ月で結果を出さなければ政権失格」なる異常な国になったのでしょうか? たとえばサラリーマンが新しい会社に転職して、3ヶ月でめざましい成績を上げることなど、ありうるでしょうか? 恐らく職場に慣れ、仕事を覚えるだけで3ヶ月くらいあっという間に経ってしまうでしょう。あるいは、業績不振で経営陣が総入れ替えした企業が、3ヶ月で黒字転換、V字回復というようなことも、全くないとは言いませんが、きわめてまれにしか起こらないでしょう。

ましてや「国家の経営」なのです。トヨタ自動車の全売り上げの十倍に届かんというような巨大な予算を使用するのです。3ヶ月で全業務を把握し、なおかつ問題点を全て分析し終わり、有効な対策を立て、人員を整理し、職員にやる気を起こさせ、借金を減らす。逆立ちしても不可能なことです。そして、このような視点がメディアには殆ど見られないということに私は驚かされるのです。

このようなことを言うと、すぐに「時間の問題ではない。確固たる戦略がない、リーダーシップがないから不安になるのだ」と言う評論家がいます。私にはそれは「単に自分に忍耐力がないだけのことなのに、それを人のせいにしている」としか見えないのです。

そもそも自民党政権は何年間続きましたか? 50年以上です。 50年も政権の座につき、様々な問題を引き起こしてようやく退陣した自民党政権には、少なくとも、民主党が3ヶ月で結果を出せないからと入って非難する資格など、万に一つもないと私は思います。

自民党と同じだけ時間を与えるべきだ、とまで言うつもりはありませんが、すくなくとも3~4年、次回の衆院選までは、見守るべきなのは当然でしょう。何もかもが新しいのです。新人社員が一人前になるのには3年かかると言われるそうです。企業でさえそうです。まして国家経営という重い任務は、最低でもこれくらいの時間は必要なのは当然のことです。

私は既存メディアと、その論調によって「何となくそうなのかな」という風に流されて忍耐ということばを忘れつつある人々の姿に、危機感を覚えます。まず一定の機会を与えるべきです。評価するのはそれからです。人のことばに流されて、気分によって評価をコロコロ変えるのはやめるべきです。それこそ、自分の判断・決断に責任を持たない、日和見主義の評論家気取り、というそしりを免れないことになるでしょう。

・・少々厳しすぎることばかもしれませんが、ぜひともこの国が「忍耐すること」を学んでいけるよう、願っています。

p.s. ちなみに、下記の記事もなかなかに読み御替えがあるのでおすすめ致します。
民主党の100日~柔構造と曖昧戦略

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